みなさんはエシカルという言葉をご存知でしょうか?
なんとなく地球や環境に優しい取り組みと想像はしつつも、「具体的に何なのか」「私たちにできることはあるのか」など疑問に思うかも知れません。
日本では「エシカルファッション」「エシカル就活」、または「エシカル食品」などという言葉も出てきています。
あまり馴染みのない言葉と感じる方もいるかもしれませんが、環境先進国と言われるニュージーランドでは「エシカルな生活」が当たり前のように根付いてきます。
今回は、ニュージーランドでもエシカルな取り組みをご紹介します。まずはエシカルについての理解を深められるよう、徹底解析していきます!
私自身がニュージーランドの最大都市・オークランドで目の当たりにしたエシカルな体験も、お伝えいたします!
【目次】
エシカルとは?
エシカル=Ethicalとは、倫理的なという意味です。
簡単に言うと、法律で決められたことではないけれども多くの人が社会的な模範で考えることを意味します。
人にも地球にもやさしい保存容器stasher(スタッシャー)
エシカル消費とは?
1989年にイギリスで「エシカルコンシューマー(Ethical Consumer)という専門誌で、初めて"エシカル消費"という言葉が使われるようになったと言われています。
エシカル消費とは、環境や社会のことを考慮して作る事業者の商品を消費したり応援することを指します。
エコバックやマイボトルを活用したり、節水や節電を心がける行動もエシカル消費です。
環境問題に関する内容でよく使われる言葉でもあるため、環境に優しい方法で作られた製品を連想される方も多いのではないでしょうか?
もちろんエシカル消費とは環境を配慮した上での取り組みや製造ですが、"社会的なエシカル消費"も忘れてはいけません。
例えば、児童労働や社会問題などの人権問題に配慮した環境で生産された製品です。また、地域活動や少数民族の伝統工芸品などを応援する行動も立派なエシカル消費です。
エシカルとオーガニックの違い
日本の街中でも「有機栽培」「無農薬」など、オーガニックの食材や原料を使用した商品を見かけることが多くなりました。
みなさんは、エシカルとオーガニックの違いを説明できますでしょうか?実は、似ているようで異なる概念を持っています。
オーガニック=有機的という意味があり、化学物質を使用せずに自然由来の成分を使用することです。
消費者にとってはもちろん、環境にもメリットがあることが強調されています。
対照的に、エシカルとは社会にも環境にもメリットや良い循環をもたらします。オーガニックという言葉よりも、より広範囲な意味を持ちます。
SDGsとの関わり
当たり前のように購入しているモノが、いつ誰によってどのような方法で生産したものなのかを考えたことはありますか?
現代の多くの人が、日々さまざまなモノを消費しながら生活しています。大量消費や大量生産の裏には、環境破壊や強制労働などの問題点もあるのが現実です。
2030年までに達成するべき目標がいくつもある中で、気候変動や貧困問題なども含まれています。
私たち一人一人の消費活動が少しでもエシカルに向かっていけば、地球規模で改善に繋がるSDGsの目標が多数あります。
つまり、エシカルな行動はSDGsへ繋がる立派な取り組みです。SDGsについては下記のブログ記事もぜひご覧ください。
エシカル消費の先進国?ニュージランドの取り組み
英語圏のニュージーランドでは、留学や移住先にも人気があります。日本と同じように島国で四季がある、暮らしやすい国として評判です。
自然豊かなニュージーランドは、エシカル先進国として既に有名であることはご存知でしょうか?
実際にはどのような背景がありエシカルな取り組みをされているのか、詳しく解説していきます。
環境保全に対する意識が高い
ニュージーランドには先住民族マオリや、他国から移民してくる人々が一緒に暮らしています。
国の重要な資源である自然を大切にする文化が非常に強く根付いています。さらに、希少の動物や自国の自然を守るための運動なども活発です。
スタートアップなどいわゆる大企業というカテゴリーに属していない会社のホームページにも、自分たちの会社は環境問題に対して具体的にどのような取り組みをしているのか開示している場合も 数多くあります。
ジェンダーレスな環境
ニュージーランドは1893年に世界で初めて女性に参政権を与えたことでも有名な国なこともあり、ジェンダーに関係なく個人として意見を言う文化が根付いています。
そのため、国民一人一人が環境問題に取り組み発言する環境やチャンスが平等にあります。
周りから言われるだけではなく、自発的に考えてエシカル消費に取り組むことが当たり前のように存在することも特徴です。
若者や地域の消費行動
近年、ニュージーランドではエシカルな消費行動に対して積極的に取り組む世代があります。「GenY」(ジェネレーションY)と呼ばれる世代です。
GenYとは、
- 30歳以下
- 独身または子なしの若いファミリー
- フルタイムで働いている
- 都会で生活をしている
有機農業や食品業界に詳しいBrendan Horse氏の「New Zealand Organic Market Report」によると、特にGenY世代は消費行動においてバランスを重要視していると述べています。
バランスを意味するキーワードは、
- 価格に見合った価値
- 製品やサービスの質
- 自分たち消費者にとってヘルシーかどうか
3つのキーワードのバランスを総合的に判断しつつ、環境に優しい製品への関心や地産地消の意識が高まっています。
ニュージーランドで体験するエシカル
ニュージーランドでは、生活においてエシカルな考えが当たり前のように根付いています。
実際に、私がニュージーランド・オークランドで発見したエシカルな取り組みや製品をご紹介します。
【食文化編】
1993年に人気の観光地タウポで誕生した「Huka Honey Hive」。ニュージーランドのお土産としても有名なマヌカハニーをはじめ、養蜂関連商品が揃っている国内最大規模の無料施設です。
温室効果ガスの排出量を減らす取り組みとして、「Greening Taupo」という木を植えるプロジェクトを会社としてサポートしています。
さらに、次世代の為にリサイクルできない素材やプラスチックなどの使用をなくす環境に優しい取り組みも行っています。
エシカルな活動を積極的に取り入れている会社です。
【衣服編】
エシカルファッションに興味がある方は聞いたことがあるかもしれないですが、日本のセレクトショップなどでも既に取り扱いがある「Kowtow」(コウトウ)。
2006年にGosia Piatek氏によって生まれたオーガニックコットンに特化したアパレルブランドです。
使用する素材はインド社を通して全てフェアトレードで調達し、プラスチックのボタンやパーツは一切使わないなどいう徹底されたコンセプトが特徴。
大量破棄などファッション業界で長年問題視されてきた現実に、非常にアクティブに取り組むエシカルなブランドです。
【コスメ編】
2002年にニュージーランドに住む姉妹によって誕生した、スキンケアブランド「Trilogy」(トリロジー)。美容マニアたちにも大人気で、ニュージーランドの薬局も気軽に購入できます。
日本ではコスメキッチンなどの店頭でも、見かけたことがある方もいるのではないでしょうか。
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トリロジーは野生動物の生息環境保護や、国内外で女性の社会的地位の向上の支援など積極的に取り組んでいます。また、ケニアやタンザニアなどに資金援助も行っています。
さらに、2012年にはニュージーランドのブランド初となる「NATURE」に、オーガニックコスメとして認証されました。
NATUREとは、世界で環境保護に取り組みながらオーガニックのコスメのベネフィットを広める団体です。
まとめ
最近では「SDGs」「異常気象」などの環境についてのワードをよく目にします。一時的なアピール活動ではなく、持続的に環境に優しいアクションを行いエシカル消費など迅速な取り組みにも注目が集まっています。
「エシカル」と「オーガニック」とは異なる意味を持ち、環境だけではなく人や社会に対しても優しい消費活動という概念があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
日本ではまだ「エシカル」という言葉を街で見たり実際に会話の中で使用したりする機会が少ないかもしれません。
今回の記事をきっかけに自分の消費活動や行動は地球全体に意味をもたらすことを知り、エシカルな製品を少しでも意識して買ってみるなどの行動に繋がったらとても嬉しいです。