最近はさまざまなタイプの留学があります。日本にいながらオンラインで現地の授業が受けれるタイプ、学業や仕事に支障がない短期間の海外留学などもあります。
海外へ行くことが身近になったものの、本当に留学で人生が変わるのでしょうか?
「今の自分がいる環境や、将来がイマイチ」「価値観を変える環境が欲しい」と考えている人もいると思います。
今回は留学中あるあるや、私自身がニュージーランド留学で経験した驚きの体験談などもお伝えしていきます。また、留学で変われる人と変われない人の特徴もまとめてみました。
「実は留学が気になっている」という人には、ぜひ広い視野を持ち留学の面白さを体験してみて欲しいなと思います。
【目次】
- 留学で人生を変えることはできる?
- 留学中あるある、みんなの変わったことは?
- 留学で変わった驚きの8つのこと
- 留学で変わることができた理由
- 留学で変わることがなかった人の特徴
- 留学におすすめな人って?
- まとめ
留学で人生を変えることはできる?
環境が変われば、人生で必ず何かしらの気づきや変化があります。「留学で視野が広がった」「人生が変わった」と思う人もいます。
ニュージーランドで知り合った留学生たちの体験談を紹介します。
本人次第で留学も人生も変わる
- 語学学校で英語力を身に付けてから、希望していたアメリカの大学へ進学した(20代)
- 現地で知り合った日本人と結婚した(20代)
- 語学学校で勉強してから大学へ進学し、今は大学院で勉強している(20代)
- 最初は英語力がなかったものの、永住権を取ることができた(20代)
あまり変わらない人もいる
日本人の留学生同士で過ごす時間が多いと、どうしても日本語で話してしまったり、話題が日本に傾きやすいです。
日本人の友達と日本食レストランへ行き、日本食スーパーで買い物をするような生活をしがちな人もいます。
率直に言うと、日本人に限らず中国人や韓国人の留学生でも同じようなことは見受けられました。
素敵な仲間は増えるかもしれませんが、「英語力は思ったように伸びなかった」という傾向があります。
留学中あるある、みんなの変わったことは?
留学するタイミングは人それぞれです。中学生や高校生の時に海外へ行くチャンスがある人もいれば、社会人になってから仕事を辞めて行く人もいます。
海外留学をした人からのよく聞く体験談を紹介します。
自信がついた
留学すると決断してから、どんどん自分自身が変わります。目的を持つことの大切さですね。
「空港へ向かう時間やホームスティ先との初対面など、とにかく最初はドキドキが止まりません」と言う人もいました。
しかし、自分で英語を使って話なさければ何も始まらない環境です。とにかく自信がどんどんついていきます。自分の意見をしっかりと伝える。表現するようになります。
英語が間違っていても、誰も笑いませんよ。むしろ、"English lesson"が始まることも多々あります。
日本人でよかったと感謝することが増えた
多くの留学生は、現地で「日本人なの?」と目をキラキラさせて話しかけてくる人に出会ったと言います。
ニュージーランドの小学校では折り紙を使ったアクティビティがある学校や、日本語を学ぶ学校も多いです。
そのため「日本から来た」と話すと、喜んでニュージーランドのことを教えてくれる人に出会う機会がありました。例えば、留学中に行くべきおすすめ観光地や現地のスラングなどです。
「日本に行ってみたい」「日本人はとても丁寧」という言葉もよく聞きました。
また、日本人ならではの「おもてなし」の気遣いができることで相手に喜ばれた経験もありました。
多様性や違いがあることが当たり前だとわかった
日本は島国で各地の風習や違いはあるにしろ、一般的な考え方や習慣は同じ民族です。周りと揃っている、馴染むことを良しとする風習がまだ残っているように感じます。
「みんなが持っているコスメ」「話題の激安グルメ」など一貫性のブームに飛びつく傾向もよく見受けられます。
先住民族マオリやアイランダー系と呼ばれるトンガやサモアの人も、ニュージーランドで暮らしています。
自分の好きなものや大切にしていることを相手に伝える力、そして人の話をよく聞いて理解する文化があります。
学校の友達と政治の話をすることも、私にとっては印象的でした。政治の話=タブーのイメージがあったからです。
応援している党が違うから仲が悪くなることは決してなく、考え方や社会の情報をシェアする習慣が当たり前のようにある環境でした。
「言葉にしなくても通じるだろう」という考え方は、海外では"無効"だと心得ておいた方がカルチャーショックは少ないかと思います。
小さいことで動揺しなくなった
多様性が当たり前の環境だからこそ、自分の思い通りにならないことや予期していなかった展開が起こっても動揺しなくなりました。
「バスが遅すぎる」「商品の開け口のはずの"OPEN"が開かない」など、日本では考えらないような体験がよくあります。
何か起こった際には「あ、そうなんだ。どうして?」と相手からの言葉を聞き出して聞き、理解する能力=コミュニケーション力が上がったと実感する人が多いです。
さまざまなバックグランドを持つ人たちと暮らす環境にいることで、価値観を押し付けない習慣が当たり前のように身に付く人もいます。
NZ文化の驚きの事情は、下記ブログ記事もぜひご覧ください。
国際恋愛・国際結婚した
留学中あるあるで、外国人のパートナーを見つけたり結婚する人もいますよね。
留学生だった日本人(20代)は最初は英語は基礎レベルでした。しかし留学中に知り合ったニュージーランド人とお付き合いをして、英語力(特にリスニング力)が驚くほど爆上がりしていました。
また、留学中に現地で日本人と知り合い結婚したカップルもいます。
留学しながらさまざまな考え方の人に出会い、恋人や結婚に対する価値観が変わった人もいます。
日本に帰国してから、同じ国に留学をしたことがある日本人と結婚した友達もいます。留学中には出会わず日本で知り合うなんて、人生が変わる素敵な話ですね!
留学で変わった驚きの8つのこと
日本の学校で海外の人との交流は多くありましたが、ニュージーランド留学では人生が変わるような発見がたくさんありました。
私が思う「留学の経験があったからこそ」と思える8つの出来事を紹介します。
1. 英語で交渉できるようになった
留学期間を終えて日本に帰国した際に「英語ペラペラになった?」と、周りから聞かれたことはありませんか?
個人的に1番困る質問です(笑)。"ペラペラ"の定義づけは人によって違いますよね。
それでも留学している間に起こったトラブルなどに英語で対処できた経験は、自信に繋がったと感じます。下記、思い出すと笑ってしまうハプニングの一例です。
- 隣のアパートの人の部屋から水が大量に流れ込みリビングが水浸しになった
- ナイトクラブで入場料をぼったくられた
トラブルを避けながらもユーモアある英語力で交渉できると感じた瞬間は、驚くほど快感でした。
2. ウェルビーイングやストレスマネジメントを考える
ニュージーランドに留学して良かったと感じたことの1つが、仕事と自分時間をしっかり分ける国だったことです。
自分自身が精神的にも健康であることが大切ということを肌で感じました。
しかも、人間的にも地球的にも"healthy"であるかを大切にする多くのニュージーランド人。
よく話し合い、よく助け合う。笑顔が絶えないニュージーランドの環境で、「健康的な人生」に対しての価値観が大きく変わりました。
3. 世界中に友達ができて価値観が広がった
モロッコやザンビア、チリの料理って食べたことありますか?料理や文化に対する自身の理解がまだ浅い国の人たちと、知り合う機会もありました。
学校の教科書で学ぶ内容以外のリアルな現状やユニークな表現力を知り、今まで頭で描いてきた「好かれる人」の価値観が変わりました。
タイ人のマイペースさに度肝を抜かれたこともありますし、永遠に話が止まらないブラジル人にも出会いました。
「変って思われるかも」「普通じゃないかも」という自分自身の体験だけからの価値観や概念を、留学では一気に変えさせられました。
個性豊かな友達と知り合い世界が広がったことは人生が変わった出来事であり、一生の財産です。
4. 日本の本を読み始めた
留学する前はとにかく英語力を上げるために洋書を読む機会が多かったですが、帰国後は日本の本をむさぶるように読み始めました。
「村上春樹が大好きなの」「石黒一雄の"女のいない男たち"は素晴らしい」など、外国の友達と本の話題もありました。
恥ずかしながら、私は世界でも熱狂的なファンを持つ有名な日本の著者の話題にほとんどついていけませんでした。
留学生活が落ち着いてからいざ読み始めると、お気に入りの著者にたくさん出会いました。
留学を経したからこそ客観的に見て「面白い」と思う文章を書く著者に出会えた際には、思わずニヤリとしちゃいます。
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映画"ドライブ・マイ・カー"の原作!
5. エシカルな生活が心地よくなった
日本だと「トレンド」や「みんなの評判が良いもの」に対して集中的に熱い視線が集まる傾向があります。
例えば、パンケーキやタピオカが流行れば猛烈な勢いでメディアも街も変わっていきますよね。
ニュージーランドでは自分がモノやサービスに対していかに心地よいと感じることができるか、そして地球にも優しいかを優先的に考える文化があります。
みんなと一緒のトレンドで安心感や一体感を感じる体験も素敵ですが、個人の感覚や感性で作り上げる"フリースタイル"もなかなか良いものです。
シンプルでエシカルな生活をすることで、他の困っている人に対して意識が向くようになったと思います。
留学生活でボランティアやチャリティー活動を続けたことのきっかけにも、自然と繋がっていたのかもしれません。
6. 助け合う精神が身についた
留学していた身だからという理由も少しはあるかと思いますが、現地で知り合った人には大変お世話になりました。
権力者でも大富豪でもないただの学生の私に、惜しみなくサポートしてくれた人や環境に感動しました。
ボランティアやチャリティー活動を通じて、思いを相手に伝えることの大切さも学びました。助け合うプロセスで、ちょっとしたたわいも無い会話が仲間を救うこともありました。
あまり親しくない仲間以外の人からのサポートに対して、「おせっかい」「めんどくさい人にはなるべく関わりたくない」など思ったことはありませんか?
留学で価値観が変わり、困っている人やちょっとした声掛け・気遣いができるようになったと思います。
ちょっとしたコミュニケーション、されどコミュニケーション。言葉って大切だし、素晴らしい文化だなと思います。
7. ニュースを気にするようになった
「日本で地震だって?!大丈夫?」など、地震があるたびに世界中の友達から連絡がよくきます。
日本の土地勘に詳しくないと地震=全国で激しく揺れている、と勘違いしているのでしょうか(笑)。地震が起きない国もありますからね。
海外にいる友達もBBCやCNNなどで、日本のニュースをよくチェックしているなと感じます。
日本文化が大好きな友達も多く、アニメやレストランなどの情報交換もよくします。
そのため自分が興味ある分野だけではなく、世界の幅広いジャンルのニュースを積極的に取り入れるようになりました。
8. リスクマネジメントができるようになった
海外留学を経験して、いい意味で警戒心が身についたと思います。海外でよくあるスリや暴行事件を踏まえ、「危険かもしれない」「避けるべき道」など注意深く気をつけるようになりました。
大前提として緊急連絡先を控えていたり、万が一の時には留学先で助けてくれる人たちがいることは大切です。
しかし、"現場"では命を守るために自分で対処しなければならないこともあります。徹底的なリスクマネジメント力は、無事に留学生活を送るためにも必須です。
もともと空手やボクシングをしていたものの、留学中に護身術のクラスに通ったこともあります。英語の勉強にもなるし自分を守る術も身につけば、一石二鳥かなと(笑)。
留学で変わることができた理由
きっかけは、たくさんの出来事の積み重ねだと思います。私が海外留学で変わることができた"きっかけ"を紹介します。
- 留学中に達成したい目的が明確だった
- 留学先の国民性と文化が自分に合っていた
- 自分の好きなことや特技が1つでもある
- 感謝の気持ちを忘れずに"thank you"と"sorry"は使い倒す
特に人に言えるような「趣味や特技がない」という人はいませんか?No problem!
好きな食べ物や嫌いな食べ物はありませんか?「ナスがとにかく嫌い」、立派なアピール要素になると思います。
もしかしたら滞在先のホストファミリーが、ナスを使用した超絶品の家庭料理を作ってくれて価値観が変わるかもしれないです。または友達が「ナスの常識を覆すような上手い店」に連れて行ってくれるかもしれないです。
ちなみに、私は留学をして味覚が開花したといっても過言ではないです。食べられなかった食材が食べれるようになり、帰国した際に家族が驚いていました。
また、「sorryを言いすぎるのも良くない」と言う人もいます。しかし私は一緒に滞在していたホストファミリーやフラットメイトには特に意識的に気をつけるようにしていました。
留学している期間だけに限りませんが、「親しき中にも礼儀あり」の心構えは人生では大切かなと思います。
留学で変わることがなかった人の特徴
何を基準にして"変わっていない"かは難しいところではありますが、よく聞く「後悔している点」をいくつか紹介します。
- 明確な目標がなかった
- 日本人のコミュニティーで過ごす時間が多すぎた
- 批判的な先入観が強すぎた
「海外に留学するなら日本人があまりいないところへ」と語学学校などを探す人もとても多いですよね。
英語力の向上が最優先で、海外大学へ進学する人ばかりではありません。留学目的は人それぞれです。
日本人同士でとても仲良くなったいわゆる「同志」という、価値観が一緒の友達ができた人もいます。
実を言うと、私は日本人と一緒に過ごすことに対して否定的な意見はありません。日本人コミュニティーと関わる時間があっても、何をどんな環境でするかが重要なポイントだと思うからです。
例えば、現地で有名な日本人サークルが開催していたスポーツの体験レッスンに参加したことがありました。
たった1時間ほどでしたが、その際に知り合ったフランス人と中国人と仲良くなり今でも連絡を取り合っています。
「留学するなら日本人からは距離を置こう」と必ずしも思う必要はないと思います。批判的な考えが強すぎる方が、損をしてしまうこともあります。
特に多様性の社会では、自分の価値観のみで物事を判断してしまうともったいないですよ。
留学におすすめな人って?
- 今の環境に窮屈さを感じている人
- 多様性や自分の文化と異なる人と交流したい人
- 柔軟な考えを持ち、正解は1つではないことを体験したい人
- 他人に流されずに自分の気持ちや考えを大切にしたい人
- 将来は英語力を活かしたビジネスをしたい人
まとめ
海外留学を経験することは、今までの自分の価値観や見てきた景色を大きく変えるチャンスになります。
つまり、自分次第で景色をグッと広げることができる環境があります。
私はもともと英語を勉強する時間が日本の学校でたくさんありました。しかし実際に留学してみると、英語力を伸ばすこと以上に驚きの8つの体験ができました。
留学はドキドキもしますし、シビアな話でいうとお金もかかります。ただ、一度きりの10代や20代での留学が今後の人生できっと貴重な体験になります。
海外留学では語学の習得や資格の勉強だけではありません。想像もつかなかったような景色が見えて、人生の価値が驚くほど変わりました。
もしチャンスがあるなら、勇気を出して海外に飛び出してみるといいと思います。驚くような発見や文化に出会えますよ。