海外の著者による、甘くて切ないロマンス小説。「そんなことあり得るのか？」と思ってしまえるほど笑えたり、泣けたりする偉大な恋の物語。
映画やドラマも好きですが、文字を読み脳内で想像しながら物語を進めていく読書では感じ方が異なるように思います。だから読書はやめられない！
海外で有名な著者が描くハッピーな恋や失恋物語、ガールズラブなど幅広い年齡層におすすめできる恋愛小説をご用意しました。
【目次】
- 「Crazy Rich Asians」 Kevin Kwan
- 「The Bride Test」 Helen Hoang
- 「The Kiss Quotient」 Helen Hoang
- 「The Proposal」 Jasmine Guillory
- 「Morality Tale」 Sylvia Brownrigg
- 「Pages for You」 Sylvia Brownrigg
- 「サバヨミ！」 Redmond Pamela
- 「きみに読む物語」 Nicholas Sparks
- 「春にして君を離れ」 Agatha Christie
「Crazy Rich Asians」 Kevin Kwan
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高評価を得て映画化にもなっている恋愛小説。 |
舞台はシンガポールに住む、豪華な生活を送るアジア系アメリカ人。Kevin Kwanのベストセラーでもある小説で、ゴージャスで華やかな生活を見せつつも、家族の複雑さや恋愛に焦点を当てた物語です。
アジア系アメリカ人のレイチェル・チューと、スーパー富裕層の恋人・ニック・ヤングの関係を中心に展開している恋の物語です。
実はアジアで最も裕福な家庭の一員でもあり家族は一大財閥を所有していることを、レイチェルには明かさないままでいます。
華やかすぎるほどの生活に読んでいる側としては頭がクラクラしてしまうほどですが、家族の価値観、恋愛事情、文化の違いなども考えさせられる内容です。
単なる恋愛小説ではなく家族や自分自身のアイデンティティーにも触れている物語は高く評価をされて、映画化もされています。
「The Bride Test」 Helen Hoang
| 愛や犠牲も経験しながら成長する主人公。 |
物語の主人公はカリフォルニアで清掃員として働くベトナム系アメリカ人のカーサ・トラン。家族と共に経済的な困難を乗り越え裕福なベトナム系アメリカ人のビジネスマン・カイ・ダンという申し出を受けてベトナムへ行きます。
何とカイは自分の母親に妻を選んでもらうために「ビジネス的な契約として」、カーサをベトナムへ連れて行ったのです。
カーサはベトナムでカイの家族と一緒に暮らし始めることで、カイの文化的背景や家族関係を理解しようとします。
カーサは英語が得意ではないため、言語の壁にぶつかりながらもコミュニケーションをとりながら成長していきます。カイ自身も、家族の在り方や愛について新たな視点を得ることを経験していきます。
最初はビジネス的な理由があっての関係性でしたが、愛や犠牲など文化にも焦点を当てている物語です。アイデンティティーや愛についてを感じる、ユーモアありの恋の物語です。
「The Kiss Quotient」 Helen Hoang
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プロの恋愛指導者を雇う、奥手の主人公。 |
ステラ・レーンという名前の主人公は、自分が自閉症スペクトラム(ASD)を持っていることを認識している経済学者です。
キャリアとしては成功していて数学的な課題に対する情熱を持っているものの、恋愛に対してはやや奥手で不安を感じています。
勇気を出してステラは「恋愛指導者のプロ」であるマイケルを雇い、恋愛の経験を積むことを決心します。
ステラはさまざまな経験を積み成長していき、同時にマイケルも過去のトラウマと向き合うことができるようになっていきます。
ASDを持つ主人公の視点での物語は、異なるバックグランドを持つ2人のキャラクターが感情的に描かれているラブロマンスです。
ロマンスとユーモアをうまく組み合わせた小説がHelen Hoangは得意なのかなと思います。
「The Proposal」 Jasmine Guillory
| プロポーズを断る主人公を助けたのは・・ |
ニューヨークに住むニコ・マーガリスは、成功しているフリーランスのライター。
友達と野球観戦をしに来ていたニコは、試合中に俳優である彼氏・フィッシュから大規模なプロポーズを受け、大パニック。
ニコはフィッシュからの提案を断り、助けを求めて声をかけた相手が一人で野球観戦をしてたドリュー。
物語は、ニコとドリューとの関係に焦点が当たります。お互いが惹かれあい、友達から恋愛関係へと変わっていきます。
2人は過去の傷を乗り越えながら、共に成長や共感する喜びを感じていきます。同時に魅力的なサンフランシスコの背景や、個性的なキャラクターの登場にも引き込まれます。
相手への信頼を築く家庭や家族についても描かれている、楽しく読める恋に関する海外小説です。
「Morality Tale」 Sylvia Brownrigg
| 大人しい人がある日、不倫・・？ |
いわゆるキュンキュンするような恋愛小説ではなく、登場人物キャサリンが不倫を体験してしまう切ないストーリーです。
どちらかというと、やや哲学的な要素や道徳的な考え方が強く描かれている本です。キャサリンは文房具店で穏やかに仕事をしていますが、心の中では"葛藤"があります。
キャサリンの旦那はいわゆるバツイチで、前の奥さんに金銭的なサポートも続けています。2人の息子は前の奥さんが面倒を見ていますが、決められた頻度で旦那の家にもやってきます。
ある日、キャサリンの職場に一人の男性がやってきました。キャサリンは道徳的でフェアな感性を持つ男性に惹かれていきます。
前半だけ読むと、キャサリンはいわゆる「自分をあまり持っていない大人しいタイプ」かと思いましたが、後半からクライマックスにかけて実は「とても強くて人間としてたくましい人」と感動させられます。
古本フェスティバルでたまたま見つけた彼女の小説は、まだ10代だった私にかなりの影響を与えてくれたと思います。30回以上は読んでいるお気に入りの一冊です。
「Pages for You」 Sylvia Brownrigg
| 大学生と助教授の、ガールズラブ物語。 |
主人公のフラナリーは学生寮に住む大学生。慣れない学生生活の中、街のあるカフェで美しい人に一目惚れをする。
一目惚れをした人は、何とフラナリーの通う大学の助教授・アニーだった。おしゃべりでソフトなフラナリーと対照的にクールなアニーはお互いに惹かれあい恋愛に発展していく。いわゆるガールズラブの切ない愛の物語です。
ニューヨークに行ったこともなかったフラナリーでしたが、アニーと知り合い恋を通して多くのことを学んでいきます。
単なる恋についてだけではなく、個性や洞察力などの視点からも人間性というテーマについて考えさせられる物語です。
信じられないと思いますが、私は日本Amazonでペーパーバックのタイプを215円で購入できました・・・。何かのトラブルだったのか、今でも不思議です。
ちなみに現在Amazonでは、同じタイプが6,593円で販売されています。
「サバヨミ！」 Redmond Pamela
| 40代の母が恋に落ちたのは何と、20代。 |
タイトルから想像できる方もいらっしゃるかと思いますが、40代のシングルマザーで子持ちのアリスが主人公の物語です。
アリスは専業主婦歴が長く、いざ再就職をしようと志すも年齢の壁にぶち当たります。そんな中、学生時代からの親友がアリスの若返り大作戦を手伝うことになりました。
昔からずっと憧れていた出版社に再就職が叶い、自分の仕事に対する情熱や今までの知識や経験をどんどん発揮していく姿には鳥肌が立ってしまいます。
大学生の娘がいるものの、何と恋に落ちた相手は同じくらいの年齢の20代。仕事も恋愛も充実させていくアリスが最終的にした決断とは・・・？
自分の経験や情熱は必ず誰かが認めてくれるというパワーも感じられる、ユーモアありのパワルフな恋の物語です。
一気読みできるくらい、夢中で読めるおすすめの一冊です。小説の評判が大変良く、テレビでドラマ化されアメリカで大ヒットしました。
恋って、とてもエネルギーをもらえるなと感じられる海外小説です。
「きみに読む物語」 Nicholas Sparks
| 映画化もされた大ヒット小説。涙腺爆発。 |
主人公ノアという高齢の男性が、施設に住む彼の恋人・エイリーンとのロマンスを回想することころから始まります。
舞台は1940年代のアメリカ南部の田舎町で、若い日のノアはある夏にサーシャとい美しい女性に出会います。2人は惹かれあい恋に落ちますが、社会的な違いや家族の反対に直面します。
ノアとサーシャの成長を描きつつも彼らの切ない別れと再会、そして永遠の愛に焦点を当てている物語です。
アルツハイマー病を抱えながら生きるエイリーンは、ノアの語りかけを通じて彼からの愛と一部の記憶を持ち続けます。
心から人を愛する「深い愛」のテーマの内容は、恋愛小説のファンや感動的なストーリーを好む読者におすすめです。
「春にして君を離れ」 Agatha Christie
| もがきながら決断する苦しみと、恋。 |
サスペンスやミステリー小説家として有名なイメージがある彼女ですが、"Absent in the Spring" (春にして君を離れ)は恋愛小説です。
主人公のジョーンはイギリスの中流階級に属し、夫とイラクで過ごした後にロンドンからイギリス中部にある田舎町へと向かいます。
すると、電車が立ち往生になる状態に巻き込まれることになります。立ち往生した時間こそ、彼女にとって大きな自己反省と内面を振り返る機会を与えました。
彼女はいかに家族との関係性を疎かにしていたかに気づき、新たな人間関係や未来への希望についても考えるようになります。
人は自分勝手で、自己満足のために生きているのか・・・ジョーンの苦しみもがきつつある姿を想像すると自分まで苦しくなりました。
自分のことを知るにはそれなりの忍耐力と最大限の勇気が必要なのかもしれないと思いました。
