「ニュージーランドといえばキウイ」とイメージする方も多いですよね。実は、ニュージーランドで言うキウイには3つの意味が存在します。
今回はNZでよく使う言葉、キウイの名前の由来を紹介します。
【目次】
1. ニュージーランドの有名な果物!キウイフルーツ
キウイフルーツの原産国は中国で、当初「チャイニーズグースベリー」と呼ばれていました。
1904年に教育者だった「Mary Isabel Fraser」によって、キウイフルーツの種子がニュージーランドに持ち込まれました。
後に品種改良され、ニュージーランドで商業的に初めて大量生産されるようになりました。
欧米へ輸出する際にニュージーランドの象徴である「キウイ」と呼ばれるようになりました。
キウイフルーツの発育に重要な3つの要素があります。
- たっぷりの太陽の光
- たっぷりの雨
- 栄養のある土
ニュージーランドでキウイフルーツの栽培はぴったりだったようです。現在、ニュージーランドのキウイフルーツの生産量は中国とイタリアに次いで第3位です。
世界で栽培されているほとんどのキウイフルーツは「ヘイワード」という、ニュージーランド人「Hayward Wright」により1924年に発見された品種です。日本でもお馴染みの、果肉が緑色のキウイフルーツです。
現地でキウイフルーツの輸出業者が増えたため、農家が一致団結するために生まれた会社がゼスプリです。
キウイの種類
グリーンキウイ
甘さと酸味のバランスが絶妙な味のキウイ。表面の柔毛はざらざらしていていて、茶色い皮が特徴的です。不足しがちな食物繊維を補うには、おすすめの品種です。
ゴールドキウイ
グリーンキウイよりも酸味がなく、爽やかなのにしっかりとした甘い味。また、グリーンキウイよりもビタミンCが2倍近く含まれているのも特徴です。
口コミの評価が良い! |
キウイが旬の時期
一般的にキウイの旬は、5~12月ごろです。ニュージーランドの気温が冷え始める3~5月ごろに、キウイの収穫をします。
キウイの値段
時期にもよりますが旬であれば1kg辺りグリーンキウイはNZD$2.5、ゴールドキウイはNZD$4.5ほどです。
旬でない時期や災害などで収穫量が極端に減る年などは、3倍ほど高い値段になる場合もあります。
キウイの保存方法
食べごろになった完熟のキウイフルーツは、冷蔵庫で保管することをおすすめします。食べごろを確認する方法としては、手でキウイフルーツを優しく握って弾力を感じるくらいです。
キウイを冷蔵庫に入れていても完熟は進んでしまうため、長期間の保管はおすすめしません。
キウイの食べ方
現地でもよく食べるおすすめの方法は「ハーフカット」です。キウイを半分に切り果肉をそのままスプーンですくって食べる、とても簡単な食べ方です。
ゴールドキウイは表面に毛が生えていないため、そのまま食べる人も多いです。
キウイファームでアルバイトができる?
ニュージーランドのキウイファームはとても人気のあるお仕事です。さまざまな国からキウイファームでの仕事を求めて、たくさんの労働者が訪れます。
特に人気のエリアはベイ・オブ・プレンティという地域では、全体の約80%のキウイフルーツが生産されています。そのため、お仕事の募集もたくさんあります。
ビーチがとても綺麗な熱帯地帯のベイ・オブ・プレンティでは、キウイの他にもアボカドなど果樹園などもあります。また、クラフトビールやシーフードなども堪能できるグルメな街です。
キウイファームの募集時期
一般的には、収穫が始まる3月より少し前のタイミングで募集が始まります。
アクセスが良かったり口コミなどの評判が良いファームで働きたい人は、「募集前にファームエリアに既に引っ越しをして募集開始日を待つ」ということもあるそうです。
ファームの入れ替わりは、比較的よくあるそうです。
キウイの収穫時期の前のタイミングで応募に間に合わなくても、諦めずに応募や直接ファームへ問い合わせをしてみるのもおすすめです。
ファームでの仕事内容
ファームで特に多い募集内容は、ピッキング(収穫)のお仕事です。
収穫したキウイの品質確認として、出荷できる基準を満たしているか判断する業務もあります。商品のパッキングや、キウイの枝などを手入れする作業などの業務もあります。
ピッキングのお仕事は、体力勝負な部分もあります。体力的にあまり自身がなかったり、身長が低いと苦労する傾向があるようです。その際には、他の業務内容に応募できるか確認してみましょう。
ファームでの注意点
交通などのアクセス
一般的にファームがある場所は、田舎で交通の便が悪い場合が多いです。
そのため、ファームジョブを検討されている方で車を持っていない場合は、送迎があるか確認してみましょう。職場の方と仲良くなって、誰かの車に乗せてもらう人もいます。
日本から準備しておくアイテム
農作業でお仕事をする際は汚れても大丈夫な衣類や、帽子などのアイテムも用意しましょう。滑りにくいトレッキングシューズや軍手などもあると便利です。
また、炎天下で長時間作業をする可能性もあるため、サングラスやアームカバーなど機能性があるアイテムもあると安心です。
ファームは必ずしも宿泊付きではないため、ホームステイやルームシェアなど滞在先の確保も忘れずにしましょう。
ニュージーランドで滞在先を検討される場合、下記ブログ記事も参考にしてみてください。
お給料事情
ファームによって給料の支払い方法が異なります。
時給換算もあれば、出来高制の場合もあります。出来高制の場合には天候によって仕事が休みになり、あまり稼げないというケースも起こりうるため注意が必要です。
ピッキング業務の場合は、2~20人ほどのチームで収穫作業を行うことも多くあります。収穫したキウイフルーツを箱にどんどん入れていき、箱の数で給料が変わるシステムです。
1つの箱=時給というイメージですが、仕事を始めたばかりは時給が安く設定されている場合もあります。自分はどのくらい稼げるのかイメージをしておき、契約書でもしっかり確認しておきましょう。
2. ニュージーランドの飛べない鳥!キーウィ
現地のお土産ショップや街でよく見かける「kiwi」という文字。kiwi bankなど会社名や商品名に使われることも多い文字です。
ニュージーランドでキウイというと、果物のキウイではなくて国を象徴する鳥・キーウィまたはニュージーランド人のことを意味します。
キーウィ(キウイ鳥)は単数形でも複数形でも「kiwi」と小文字で書かれることが多いです。
ニュージーランド人の場合は頭文字が大文字に変わり「Kiwi」となり、複数形の場合は「Kiwis」です。
キーウィはどんな鳥?
ふわふわとした茶色い毛にまん丸いカラダ、まるで果物のキウイフルーツのようなフォルムのキーウィ鳥。
「kiwi」とも呼ばれる夜行性の鳥は、ニュージーランドにしか生息していない固有種の動物です。
特徴的なキウイが持つ長いくちばしの先端には鼻孔があり、非常に優れた嗅覚を持ちます。獲物は目で見てから捕えるのではなく、嗅覚に頼っています。
驚くことに、キウイが産む卵の大きさは母体の約20%を占めます。大きさで言うと、鶏の卵よりも約6倍のサイズです!世界でも母体に対して最も大きい鳥卵の1つです。
卵1つが大きいため、キウイは通常1個の卵しか産む事が出来ません。
キウイが見れる場所
The National Kiwi Hatchery
北島ロトルアに位置する施設は、キウイの畜産業にとても力を入れています。
キウイの孵化活動に関して見たり、聞いたりとユニークな体験ができる環境があります。
私は併設されている「レインボースプリングス」という自然公園でキウイを見ることができました。小さくてまん丸いふわふわとしたキウイは、とても可愛い鳥でした。
1931年に観光体験ができる場所として始められました、自然公園は2022年に閉館しています。
The National Kiwi Hatcheryはまだオープンして見に行くことができる施設です。入場料は全てキウイの孵化活動のために使われます。
住所:192 Fairy Spring Road, Fairy Springs, Rotorua
www.nationalkiwihatchery.org.nz
Otorohanga Kiwi House and Native Bird Park
1971年から続く施設は、北島オトロハンガで開園しました。観光地で有名なワイトモ洞窟まで、車で15分で行ける距離です。
キウイの他にも、さまざまな鳥に出会えるのも魅力的なポイントです。ニュージーランド固有の鳥「Tui」「Kea」などにも出会うことができる施設です。
住所:20 Alex Telfer Drive, Otorohanga
Orana Wildlife Park
南島クライストチャーチのオラナに位置する、野生動物公園です。1000種類もの動物がいるため、来園者は3〜5時間ほど滞在することが多いです。
毎日12回ほど来園者も楽しめるアクティビティがあるため、さまざまな動物に出会うことができる環境です。
公式サイトではアクティビティのスケジュール確認することができるため、事前に確認することをおすすめします。
住所:793 McLeans Island road, Christchurch
キウイが絶滅の危機にある?
かつては12,000,000羽ほどいたキウイも、今では68,000羽ほどしか生息していません。
現在は5種類のキウイが生息し、うち4種が絶滅危惧種になっています。そして残り1種は、近危急種に指定されています。
主な原因は三つあります。
- 捕食動物の存在
- 生物本来の生息地の減少
- 断片化されたキウイの集団
キウイのための安全な環境が整っていない場合、約95%のキウイは繁殖年齢に達する前に死んでしまう厳しい現状です。
2030年までにキウイを100,000羽に増やす目標があります。キウイの保全活動はどんどん向上しており、目標達成できることを期待したいです。
参考サイト:"Save the kiwi" https://savethekiwi.nz/
3. キウイハズバンドってどんな意味?
キウイ
英語でニュージーランド人のことを「New Zealander」と呼ぶことは間違いではありません。しかし多くの人は「Kiwi」と呼びます。
「キウイと言葉を短くすることは、失礼にならないかな?」と最初は思いました。大丈夫です、ニュージーランド人も自分自身のことをキウイを呼びます。
なぜ、キウイと人々のことも呼び始めたのでしょうか?
ニュージーランドの国鳥、キウイが関係しています。
第一次世界大戦時にANZAC(アンザック)と呼ばれる、ニュージーランドとオーストラリア合同の軍事組織がありました。
ガリポリの戦いで勇敢に戦ったANZACの兵士たちですが、その際にすでにニュージーランド人の兵士たちは自分自身のことを「Kiwis」と呼んでいたそうです。
母国のアイデンティティーでもある鳥、キウイからとったニックネームでした。
以降、ニュージーランド人は愛と仲間意識の意味を込めて"Kiwis"と呼ぶことが広がりました。
キウイハズバンド
キーウィはメスが卵を産み、オスが卵を温めて献身的に孵します。
ニュージーランドの夫婦関係もキーウィと似ていて、男性が家事や育児など積極的にする家庭が多いです。
キウイ鳥のメスとオスの関係性と人間も似ていることから、「Kiwi husband」と呼ぶようになりました。
まとめ
ニュージーランドに行ったらよく聞く、見る「キウイ」。
キウイフルーツも鳥のキーウィも、いかにニュージーランドにとって大切な存在かがわかりました。
また、ニュージーランド人が誇りを持って「Kiwi」と呼ぶのには歴史的背景が関係していたのですね。