海外にいるとタトゥーを入れている人をよく見かけます。街で見る通りすがる人、レストランのスタッフなどさまざまです。
日本で街を歩いていてタトゥーを入れている人に遭遇することは、多くはありません。「刺青」「入れ墨」とも日本では呼ばれるタトゥーですが、海外の人たちはどのような考えがあり入れているのでしょうか?
ニュージーランドで出会った人たちに、タトゥーに関してどう思っているかも聞いてみました。タトゥーを入れている人たちにはどんな思いがあるのでしょうか?
世界中の有名な彫り師が集まるタトゥーのイベントについても、最後にご紹介します。
【目次】
海外でタトゥーは普通なのか?
最近ではインフルエンサーやスポーツ選手、人気歌手などさまざまな職業の人がタトゥーを入れているのを目にします。
日本の若い世代にも、ファッション感覚でタトゥーが受け入れられるようになってきました。
しかし、日本の温泉やプールのエントランスにはよく「入れ墨禁止」など制約がある場所もまだ多くあります。
海外ではタトゥーを入れることが普通なのでしょうか?
答えはNOです。職業柄、タトゥーを入れることが可能な人もいれば難しい人もいます。社会的にタトゥーを入れていることがスタンダードではない業界もあります。
タトゥーを入れない海外の若者たちの声
ニュージーランド人の20代4人に、タトゥーを入れない理由を聞いてみました。
- 費用が高い
- 興味がない
- 温泉に入りたい
- どんなデザインを入れたらいいかわからない
また「IT関連に勤務する友達の周りには、見えるような場所にタトゥー入れている人はあまりいない」という口コミもありました。
1人はトンガ出身でラグビーもする、一見「タトゥーを入あれてそうな人」もいました。
就職や転職でタトゥーは不利になる
ニュージーランド航空では2019年9月1日より、全従業員がタトゥーを隠す必要がなくなりました。
比較的つい最近まで「自由なイメージ」の海外でさえ、タトゥーが就職で不利になる可能性があったということです。
また、技能実習生などとして海外から日本に仕事をしに来る際にも不利になる場合があります。
朝日新聞で以前読んだ記事によると「自国では受け入れられていたタトゥーが上手く消せず、日本に来日する機会を失った」という男性もいました。皮膚が薄くなり、費用もかなりかかってしまったそうです。
企業は必ずしも「あなたの入れているタトゥーが原因で不採用です」とは言いません。
タトゥーを入れている従業員のせいで保守的なクライエントからクレームは欲しくないのでしょう。
企業イメージや信頼性を大切にする方が、会社の利益に繋がると考えます。
職場や周りからの反応
国際色豊かなバックグラウンドを持つ人が多いニュージーランドでは、大人の5人に1人が1つ以上のタトゥーを入れているというデータがあります。30代では全体の35%にまで上がります。
タトゥーをしているから印象が悪くなるというよりかは、文化や個性の表現として受け入れられています。
ニュージーランドのセラピストや美容学校の先生方も、腕や足首にタトゥーを入れているが問題ないとのことです。
教育機関に携わる人によると「目立つところには入れていないけど、見えないように意識的に隠すようにはしている」という口コミもありました。
タトゥーを入れる理由はさまざま
貼って剥がせるシールではない為、タトゥーを入れる際にはある程度の費用がかかります。実際にタトゥーを入れて10年以上経つ、30〜40代の4人に聞いてみました。
故人を偲ぶ
「大親友が交通事故で亡くなった。母国が遠いからお葬式にも行けなかったけど、親友の存在を忘れないために、ライオンのタトゥーを左胸に入れた」という人もいます。
基本的に職場ではワイシャツなどを必ず着用する為、仕事上での支障はないそうです。
宗教的な意味合い
ニュージーランドの先住民族マオリは、伝統的なタトゥーがあります。
例えば男性が顔に入れるタトゥーは「マタオラ」と言い、高貴さの象徴とされています。
女性には唇や顎に入れる「モコ・カウアエ」という、地位や能力が表現されるタトゥーがあります。
驚くことに、マオリの歴史の中で高貴な人はタトゥーがあると言われていました。タトゥーがない人は社会で最も位の低い人として考えられていました。
モコ・カウアエの顎のタトゥーを入れた、ニュージーランド初のニュースキャスターが誕生した際には話題になりました。
「マオリとしてのアイデンティティーは、血液定量制よりも意味があること」と話しています。
モチベーションを上げる
- 初任給の記念として人生で初めてタトゥーを入れた
- 人生は薔薇色ではなく、棘もある。だから薔薇と棘のタトゥーを入れた
- 人生は山あり谷あり。でも人生は恵みという意味のタトゥーを入れた
- 太陽が当たるようにあったかく生きる、というデザインを自分でしてタトゥーを入れた
タトゥーを入れる理由やデザインは、100人100色ですね。
素敵なアーティストに出会った
「ネットでたまたま素敵な蠍座の絵を見つけたことが、タトゥーを入れようと思ったきっかけ。アーティストさんに直接コンタクトを取り、許可を得て蠍座のタトゥーを入れた」という人もいます。
また「知り合いの彫り師さんに小さいデザインのタトゥーを入れてもった。15分ほどで1,000円だった」という口コミもあります。本来タトゥーを入れたかった場所は「落ちやすいかも」というアドバイスがあったりと、彫り師とのカウンセリングもしっかりあったそうです。
世界中の彫り師が集まるイベント
映画「ラストサムライ」のロケ地としても有名なニュープリマスでは、ニュージーランドで有名なタトゥーのイベントが行われます。2023年は11月26日・27日に開催されます。
世界で活躍している250名以上のタトゥーアーティスト(彫り師)が集まるほか、DJやBMXなどのパフォーマンスも披露されます。
ニュージーランド生まれでニュージーランド育ちで日本人のマジシャン、Kozo Kaosさんも出演されます。
サモアなどのトライバルタトゥーに特化していたり、漫画のアニメタトゥーなどもあります。
そのため、自分が興味あるタトゥーを得意とする彫り師に出会うことができるチャンスがあります。
タトゥーのレベルを競い合う競技も必見です。会場全体の雰囲気が楽しめる、見に行く価値があるイベントです。
下記は2023年のチケット料金です。
- 1日間 NZ$35
- 2日間 NZ$60
- 14歳以下は無料(ただし入場料を支払う大人と一緒)
公式インスタアカウントでは、参加される彫り師の作品の写真がたくさん載っています。どれもデザイン性の溢れる個性豊かな作品です。
Instagram: https://www.instagram.com/nztattoofestival/
まとめ
海外ではタトゥーを入れている人口が日本よりも多い国もありますが、必ずしも「海外は自由」というイメージを持つことは危険です。ファッションや飲酒に関して、日本の方が自由な面も多々あります。
ニュージーランドの場合、タトゥーは文化の一部であり個性として受け入れられています。しかし、若者でもタトゥーに興味がない人もいることがわかりました。
タトゥーを入れる際にはもちろん、消す際にも費用がかかるということは注意しておきたいポイントです。1回の施術でタトゥーを綺麗に消せない人もいます。