ニュージーランドの先住民・マオリ族とは、イギリスの植民地時代がニュージーランドで始まる前から住んでいた民族です。
マオリ族はポリネシア系の人種と分けられ、約1000年前にニュージーランドに渡ってきたと言われています。
ニュージーランドに滞在していると、マオリ文化や伝統を肌で感じる事が日常的にあります。例えば、お土産屋さんで販売されているマオリのアクセサリーや伝統舞踊・ハカなどです。また、テレビのニュースでも必ずマオリ語を耳にします。
今回は、代表的なマオリの伝統や文化についてご紹介します。ニュージーランドを旅するなら、必ず知っておきたい観光地の情報もお伝えしますのでぜひご覧ください。
【目次】
ラグビーでお馴染み!伝統「ハカ」の舞
ニュージーランドのラグビー代表・オールブラックスが、試合前に舞うことで有名な「ハカ」。
元々は、1810年に喜びと感謝の気持ちを込めて踊った舞がハカの種類「カマテ」として誕生しました。
マオリの人々は、誇りや団結力をとても大切にしてきた民族です。そのため、古くから続く伝統や文化を次世代へ受け継げるように工夫してきました。
その一つに、マラエと呼ばれる集会場があります。自分たちの部族や家族に属する施設で、祝い事や教育なども行われてきました。なお、正式に歓迎を受けなければ敷地内には入れませんので現地では気をつけましょう。
次に、「カパ・オ・パンゴ」という種類のハカがあります。オールブラックスのために作られたという特別なハカは、マラエなどでも披露されます。部族のプライドをかけて、相手を威嚇するために全身を使い歌いながら踊ります。
「カマテ」も「カパ・オ・パンゴ」も足を踏み鳴らしながら、時には舌を出したりするため力強さも感じさせます。
ハカは威嚇するだけのものではなく、平和を願ったり客人を歓迎する際にも披露されます。現代の学校では、税別関係なく必ず習います。街のイベントでも学生たちがハカを披露することもよくあるため、ぜひ一度は迫力のある舞を現地で見てみてください。
顔のタトゥー!アイデンティティーの「モコ」
「Tā Moko」と呼ばれる「モコ」とは、マオリ語で刺青のことを指します。マオリの人々にとってタトゥーはとても神聖であり、身分が高い人ほど顔全体に入れるものでした。
タトゥーの模様は様々で、部族や地位などを表すためアイデンティティーとして受け継がれてきました。
特に男性は額や頬、太ももにタトゥーを入れました。対照的に女性は唇や顎にタトゥーを入れる慣しがありました。
現代のタトゥーの彫り方とは異なり、マオリ族は歯や骨から作った道具を器用に使いこなしました。塗料には、木などを燃やして採れた煤を用いていたそうです。
モコの文化は衰退してきていたものの、近年は自分たちのアイデンティティーを誇りとしてタトゥーを入れる人々が増えています。
木彫りアートの「ファカイロ」
ニュージーランドのお土産さんで必ず見る、マオリ伝統の彫刻アート「ファカイロ」。特徴的な模様は、自然界に存在する様々なモチーフを使用しています。
例えば、
- シダの葉
- 魚のウロコ
- 昆虫
などがあります。
驚くことに、美しい彫刻のファカイロはマラエの家にも彫刻されています。その他に武器やカヌー、楽器など様々なアイテムに伝統的な彫刻が受け継がれてきました。つまり、モチーフは部族の歴史や伝説が受け継がれていると言えます。
主に、彫刻の仕事は男性が行なっていました。独自の物語を彫刻で表現したマオリ族は、いかに部族や忠誠心を大切にしてきたが伝わります。
マオリ文化に触れられる観光スポットの「ロトルア」
豊かなマオリ文化が今もなお息づく「ロトルア」は、オークランド市内からバスで約4時間で行ける距離に位置しています。そのため、留学生の間でもロードトリップでレンタカーを借りて観光に行く人々も少なくありません。
北島にあるロトルアは大地熱地帯に位置しているため、温泉の街としても有名です。マオリ族の人口も多いため、より伝統文化を知るチャンスがあります。
地熱で食材を蒸す調理法である、マオリの伝統食「ハンギ料理」を体験してみるのはいかがでしょうか。主な食材は、サツマイモや塊のお肉などを使用します。また、ロトルアのホテル周辺でマオリのコンサートに足を運ぶのも良いでしょう。
マオリの生活をどっぷりと体験したい方なら、「ミタイマオリビレッジ」もおすすめです。マオリの暮らしが再現された施設で、マオリの伝統的な儀式やダンスなども鑑賞できます。
まとめ
ニュージーランドの先住民族マオリについて、伝統文化やアートをお伝えしました。マオリの人々は繋がりや協力を大切にしてきて、集会場である「マラエ」には伝統彫刻「ファカイロ」が用いられていることもわかりました。
また、刺青と聞くと文化的にも驚く方もいらっしゃると思います。しかしながら、マオリの刺青「モコ」は自分たちの教養や部族を表す重要なアイデンティティーでした。